第12章 大都市等に関する特例~第14章 補則

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第12章 大都市等に関する特例

第1節 大都市に関する特例(第252条の19~第252条の21)

第252条の19(指定都市の権能)
政令で指定する人口五十万以上の市(以下「指定都市」という。)は、次に掲げる事務のうち都道府県が法律又はこれに基づく政令の定めるところにより処理することとされているものの全部又は一部で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
児童福祉に関する事務
民生委員に関する事務
身体障害者の福祉に関する事務
生活保護に関する事務
行旅病人及び行旅死亡人の取扱に関する事務
五の2 社会福祉事業に関する事務
五の3 知的障害者の福祉に関する事務
母子家庭及び寡婦の福祉に関する事務
六の2 老人福祉に関する事務
母子保健に関する事務
障害者の自立支援に関する事務
食品衛生に関する事務
墓地、埋葬等の規制に関する事務
十一 興行場、旅館及び公衆浴場の営業の規制に関する事務
十一の2 精神保健及び精神障害者の福祉に関する事務
十二 結核の予防に関する事務
十三 都市計画に関する事務
十四 土地区画整理事業に関する事務
十五 屋外広告物の規制に関する事務
2 指定都市がその事務を処理するに当たって、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事若しくは都道府県の委員会の許可、認可、承認その他これらに類する処分を要し、又はその事務の処理について都道府県知事若しくは都道府県の委員会の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの許可、認可等の処分を要せず、若しくはこれらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事若しくは都道府県の委員会の許可、認可等の処分若しくは指示その他の命令に代えて、各大臣の許可、認可等の処分を要するものとし、若しくは各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。

第252条の20(区の設置)
指定都市は、市長の権限に属する事務を分掌させるため、条例で、その区域を分けて区を設け、区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くものとする。
2 区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。
3 区の事務所又はその出張所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもって充てる。区にその事務所の長として区長を置く。
4 区に選挙管理委員会を置く。 区長又は区の事務所の出張所の長は、当該普通地方公共団体の長の補助機関である職員をもって充てる。
5 区に選挙管理委員会を置く。
6 第4条第2項(事務所位置の考慮)の規定は第2項の区の事務所又はその出張所の位置及び所管区域に、第175条第2項(長の権限分掌機関の長の指揮監督権)の規定は第3項の機関区長又は第4項の区の事務所の出張所の長に、第2編第7章第3節(委員会及び委員)中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について、これを準用する。
7 指定都市は、必要と認めるときは、条例で、区ごとに区地域協議会を置くことができる。この場合において、その区域内に地域自治区が設けられる区には、区地域協議会を設けないことができる。
8 第202条の5第2項(地域協議会の構成員の選任)から第5項(地域協議会の構成員の報酬)まで及び第202条の6(地域協議会の会長及び副会長)から第202条の9(地域協議会の組織及び運営)までの規定は、区地域協議会に準用する。
9 指定都市は、地域自治区を設けるときは、その区域は、区の区域を分けて定めなければならない。
10 第7項(指定都市の区地域協議会の設置)の規定に基づき、区に区地域協議会を置く指定都市は、第202条の4第1項(地域自治区の設置)の規定にかかわらず、その一部の区の区域に地域自治区を設けることができる。
11 前各項に定めるもののほか、指定都市の区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。(H26.5改)

第252条の20の2(総合区の設置)(H26.5改)
指定都市は、その行政の円滑な運営を確保するため必要があると認めるときは、前条第1項の規定にかかわらず、市長の権限に属する事務のうち特定の区の区域内に関するものを第8項の規定により総合区長に執行させるため、条例で、当該区に代えて総合区を設け、総合区の事務所又は必要があると認めるときはその出張所を置くことができる。
総合区の事務所又はその出張所の位置、名称及び所管区域並びに総合区の事務所が分掌する事務は、条例でこれを定めなければならない。
3 総合区にその事務所の長として総合区長を置く。
4 総合区長は、市長が議会の同意を得てこれを選任する。
5 総合区長の任期は、四年とする。ただし、市長は任期中でおいてもこれを解職することができる。
6 総合区の事務所の職員のうち、総合区長があらかじめ指定する者は、総合区長に事故があるとき又は総合区長が欠けたときは、その職務を代理する。
7 第141条(兼職の禁止)、第142条(関係私企業からの隔離)、第159条(事務の引継ぎ)、第164条(副知事及び副市町村長の欠格事由)、第165条第2項(退職の申出)、第166条第1項及び第3項(副知事及び副市町村長の兼職禁止等)並びに第175条第2項(権限分掌機関の長の役割)の規定は、総合区長について準用する。
8 総合区長は、総合区の区域に係る政策及び企画をつかさどるほか、法律若しくはこれに基づく政令又は条例により総合区長が執行することとされた事務のうち主として総合区の区域内に関するもので次に掲げるものを執行し、これらの事務の執行について当該指定都市を代表する。ただし、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合は、この限りでない。
総合区の区域内に住所を有する者の意見を反映させて総合区の区域のまちづくりを推進する事務(法律若しくはこれに基づく政令又は条例により市長が執行することとされたものは除く。)
総合区の区域内に住所を有する者相互間の交流を促進するための事務(法律若しくはこれに基づく政令又は条例により市長が執行することとされたものを除く。)
社会福祉及び保健衛生に関する事務のうち総合区の区域に住所を有する者に対して直接提供される役務に関する事務(法律若しくはこれに基づく政令又は条例により市長が執行することとされたものを除く。)
前三号に掲げるもののほか、主として総合区の区域内に関する事務で条例で定めるもの。
9 総合区長は、総合区の事務所又はその出張所の職員(政令に定めるものを除く。)を任免する。ただし、指定都市の規則で定める主要な職員を任免する場合においては、あらかじめ、市長の同意を得なければならない。
10 総合区長は、歳入歳出予算のうち総合区長が執行する事務に係る部分に関し必要があると認めるときは、市長に対し意見を述べることができる。
11 総合区に選挙管理委員会を置く。
12 第4条第2項(事務所の設定又は変更)の規定は第2項の総合区の事務所又はその出張所の位置及び管轄区域について、第175条第2項(権限分掌機関の長の役割)の規定は総合区の事務所の出張所の長について、第2編第7条第3節(市町村の廃置分合及び境界変更)中市の選挙管理委員会に関する規定は前項の選挙管理委員会について準用する。
13 前条第7項から第10条までの規定は、総合区について準用する。
14 前各項に定めるもののほか、指定都市の総合区に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

第252条の21(指定都市の政令への委任)
法律又はこれに基づく政令に定めるもののほか、第252条の19第1項(指定都市の権能)の規定による指定都市の指定があった場合において必要な事項は、政令でこれを定める。

第252条の21の2(指定都市都道府県調整会議)(H26.5改)
指定都市及び当該指定都市を包括する都道府県(以下この条から第252条の21の4までにおいて「包括都道府県」という。)は、指定都市及び包括都道府県の事務の処理について必要な協議を行うため、指定都市都道府県調整会議を設ける。
2 指定都市都道府県調整会議は、次に掲げる者をもって構成する。
指定都市の市長
包括都道府県の知事
3 指定都市の市長及び包括都道府県の知事は、必要と認めるときは、協議して、指定都市都道府県調整会議に、次の掲げる者を構成員として加えることができる。
指定都市の市長以外の指定都市の執行機関が当該執行機関の委員長、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者
指定都市の市長がその補助機関である職員のうちから選任した者
指定都市の議会が当該指定都市の議会の議員のうちから選挙により選出した者
包括都道府県の知事以外の包括都道府県の執行機関が当該執行機関の委員長、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者
包括都道府県の知事がその補助機関である職員のうちから選任した者
包括都道府県の議会が当該包括都道府県の議会の議員のうちから選挙により選出した者
学識経験を有する者
4 指定都市の市長の市長又は包括都道府県の知事は、指定都市の市長又は包括都道府県の知事以外の執行機関の権限に属する事務の処理について、指定都市都道府県調整会議におえる協議を行う場合には、指定都市都道府県調整会議に、当該執行機関が当該執行機関の委員長、委員若しくは当該執行機関の事務を補助する職員又は当該執行機関の管理に属する機関の職員のうちから選任した者を構成員として加えるものとする。
5 指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、第2条第6項(事務の競合避止)又は第14項(住民福祉の増進義務)の規定の趣旨を達成するために必要があると認めるときは、指定都市の市長にあっては包括都道府県の事務に関し当該包括都道府県の知事に対して、包括都道府県の知事にあっては指定都市の事務に関し当該指定都市の市長に対して、指定都市都道府県調整会議において協議を行うことを求めることができる。
6 前項の規定により求めを受けた指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、当該求めに係る協議に応じなければならない。
7 前各項に定めるもののほか、指定都市都道府県調整会議に関し必要な事項は、指定都市都道府県調整会議が定める。

第252条の21の3(指定都市と包括都道府県の間の協議に係る勧告)(H26.5改)
指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、前条第5項の規定による求めに係る協議を調えるため必要があると認めるときは、総務大臣に対し、文書で、当該指定都市及び包括都道府県の事務の処理に関し当該協議を調えるため必要な勧告を行うことを求めることができる。
2 指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、前項の規定による勧告の求め(以下この条及び次条において「勧告の求め」という。)をしようとするときは、あらかじめ、当該指定都市又は包括都道府県の議会の議決を経なければならない。
3 指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、勧告の求めをしようとするときは、指定都市の市長にあっては包括都道府県の知事、包括都道府県の知事にあっては指定都市の市長に対し、その旨をあらかじめ通知しなければならない。
4 勧告の求めをした指定都市の市長又は包括都道府県の知事は、総務大臣の同意を得て、当該勧告の求めを取り下げることができる。
5 総務大臣は、勧告の求めがあった場合においては、これを国の関係行政機関の長に通知するとともに、次条第2項の規定により指定都市都道府県勧告調整委員を任命し、当該勧告の求めに係る総務大臣の勧告について意見を求めなければならない。
6 前項の規定により通知を受けた国の関係行政機関の長は、総務大臣に対して、文書で、当該勧告の求めについて意見を申し出ることができる。
7 総務大臣は、前項の意見の申出があったときは、当該意見を指定都市都道府県勧告調整委員に通知するものとする。
8 総務大臣は、指定都市都道府県勧告調整委員から意見が述べられたときは、遅滞なく、指定都市の市長及び包括都道府県の知事に対し、第2条第6項(事務の競合避止)又は第14項(住民福祉の増進義務)の規定の趣旨を達成するために必要な勧告をするとともに、当該勧告の内容を国の関係行政機関の長に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

第252条の21の4(指定都市都道府県勧告調整委員)(H26.5改)
指定都市都道府県勧告調整委員は、前条第5項の規定による総務大臣からの意見の求めに応じ、総務大臣に対し、勧告の求めがあった事項に関して意見を述べる。
2 指定都市都道府県勧告調整委員は、三人とし、事件ごとに、優れた識見を有する者のうちから、総務大臣がそれぞれ任命する。
3 指定都市都道府県勧告調整委員は、非常勤とする。
4 指定都市都道府県勧告調整委員は、勧告の求めをした指定都市の市長若しくは包括都道府県の知事が前条第4項の規定により勧告の求めを取り下げたとき又は同条第5項の規定による総務大臣からの意見の求めに応じ、総務大臣に対し、勧告の求めがあった事項に関して意見を述べたときは、その職を失う。
5 総務大臣は、指定都市都道府県勧告調整委員が当該事件に直接利害関係を有することになったときは、当該指定都市都道府県勧告調整委員を罷免しなければならない。
6 第250条の9第2項(同一政党の所属禁止)、第8項、第9項(第二号を除く。)及び第10項(委員の罷免事由)から第14項(積極的な政治運動の禁止)までの規定は、指定都市都道府県勧告調整委員に準用する。この場合において、同条第2項(同一政党の所属禁止)中「三人以上」とあるのは「二人以上」と、同条第9項中「総務大臣は両議院の同意を得て」とあるのは「総務大臣」と、「三人以上」とあるのは「二人以上」と、「二人」とあるのは「一人」と、同条第10項(委員の罷免事由)中「二人」とあるのは「一人」と、同条第11項(委員の心身故障と義務違反等)中「両議院の同意を得て、その委員を」と、あるのは「その指定都市都道府県勧告調整委員を」と、同条第12項中「第4項後段及び第8項から前項まで」とあるのは「第8項、第9項(第二号を除く。)、第10項及び前項並びに第251条の21の4第5項」と読み替えるものとする。

第252条の21の5(政令への委任)(H26.5改)
前2項に規定するもののほか、第252条の21の3第1項(協議に係る勧告の求め)に規定する総務大臣の勧告に関し必要な事項は、政令で定める。

第1節 大都市に関する特例

第2節 中核市に関する特例(第252条の22~第252条の26の2)

第252条の22(中核市の権能)
政令で指定する人口三十万以上二十万以上の市(以下「中核市」という。)は、第252条の19第1項の規定により指定都市が処理することができる事務のうち、都道府県がその区域にわたり一体的に処理することが中核市が処理することに比して効率的な事務その他の中核市において処理することが適当でない事務以外の事務で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
2 中核市がその事務を処理するに当たって、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事の指示その他の命令に代えて、各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。

第252条の23 削除

第252条の24(中核市の指定に係る手続)
総務大臣は、第252条の22(中核市の権能)第1項の中核市の指定に係る政令の立案をしようとするときは、関係市からの申出に基づき、これを行うものとする。
2 前項の規定による申出をしようとするときは、関係市は、あらかじめ、当該市の議会の議決を経て、都道府県の同意を得なければならない。
3 前項の同意については、当該都道府県の議会の議決を経なければならない。

第252条の25(中核市の政令への委任)
第252条の21(指定都市の政令への委任)の規定は、第252条の22(中核市の権能)第1項の規定による中核市の指定があった場合について準用する。

第252条の26(指定都市の指定があった場合の取扱い)
中核市に指定された市について第252条の19(指定都市の権能)第1項の規定による指定都市の指定があった場合は、当該市に係る第252条の22(中核市の権能)第1項の規定による中核市の指定は、その効力を失うものとする。

第252条の26の2(中核市の指定に係る手続の特例)
第7条第1項又は第3項の規定により中核市に指定された市の区域の全部を含む区域をもって市を設置する処分について同項の規定により総務大臣に届出又は申請があった場合は、第252条の24(中核市の指定に係る手続)第1項の関係市からの申出があったものとみなす。

第2節 中核市に関する特例

第3節 特例市に関する特例(第252条の26の3~ 第252条の26の7)削除(H26.5改)

第252条の26の3(特例市の権能)
政令で指定する人口二十万以上の市(以下「特例市」という。)は、第252条の22(中核市の権能)第1項の規定により中核市が処理することができる事務のうち、都道府県がその区域にわたり一体的に処理することが特例市が処理することに比して効率的な事務その他の特例市において処理することが適当でない事務以外の事務で政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができる。
2 特例市がその事務を処理するに当たって、法律又はこれに基づく政令の定めるところにより都道府県知事の改善、停止、制限、禁止その他これらに類する指示その他の命令を受けるものとされている事項で政令で定めるものについては、政令の定めるところにより、これらの指示その他の命令に関する法令の規定を適用せず、又は都道府県知事の指示その他の命令に代えて、各大臣の指示その他の命令を受けるものとする。

第252条の26の4(特例市の指定に係る手続)
第252条の24(中核市の指定に係る手続)の規定は、前条第1項の規定による特例市の指定に係る政令の立案について準用する。

第252条の26の5(特例市の政令への委任)
第252条の21(指定都市の政令への委任)の規定は、第252条の26の3(特例市の権能)第1項の規定による特例市の指定があった場合について準用する。

第252条の26の6(指定都市又は中核市の指定があった場合の取扱い)
特例市に指定された市について第252条の19(指定都市の権能)第1項の規定による指定都市の指定又は第252条の22(中核市の権能)第1項の規定による中核市の指定があった場合は、当該市に係る第252条の26の3(特例市の権能)第1項の規定による特例市の指定は、その効力を失うものとする。

第252条の26の7(特例市の指定に係る手続の特例)
第7条第1項(市町村の廃置分合及び境界変更の総務大臣への届出)又は第3項(普通地方公共団体の申請)の規定により特例市に指定された市の区域の全部を含む区域をもって市を設置する処分について同項の規定により総務大臣に届出又は申請があった場合は、第252条の26の2(中核市の指定に係る手続の特例)に規定する場合を除き、第252条の26の4(特例市の指定に係る手続)において準用する第252条の24(中核市の指定に係る手続)第1項の関係市からの申出があったものとみなす。

第13章 外部監査契約に基づく監査

第1節 通則(第252条の27~第252条の35)

第252条の27(外部監査契約)
この法律において「外部監査契約」とは、包括外部監査契約及び個別外部監査契約をいう。
2 この法律において「包括外部監査契約」とは、第252条の36第1項(包括外部監査契約の締結)各号に掲げる普通地方公共団体が、第2条第14項(住民福祉の増進努力)及び第十五項(合理化と適正化の努力義務)の規定の趣旨を達成するため、この法律の定めるところにより、次条第1項又は第2項(外部監査契約を締結できる者)に規定する者の監査を受けるとともに監査の結果に関する報告の提出を受けることを内容とする契約であって、この法律の定めるところにより、毎会計年度、当該監査を行う者と締結するものをいう。
3 この法律において「個別外部監査契約」とは、次の各号に掲げる普通地方公共団体が、当該各号に掲げる請求又は要求があった場合において、この法律の定めるところにより、当該請求又は要求に係る事項について次条第1項又は第2項(外部監査契約を締結できる者)に規定する者の監査を受けるとともに監査の結果に関する報告の提出を受けることを内容とする契約であって、この法律の定めるところにより、当該監査を行う者と締結するものをいう。
第252条の39第1項に規定する地方公共団体 第75条第1項「監査委員に対する選挙権の有する者からの事務の監査」の請求
第252条の40第1項に規定する普通地方公共団体 第98条第2項「監査委員に対する議会からの事務の監査」の請求
第252条の41第1項に規定する普通地方公共団体 第199条第6項「監査委員に対する長からの事務の監査」の要求
第252条の42第1項に規定する普通地方公共団体 第199条第7項「監査委員に対する長からの財政的援助等の監査」の要求
第252条の43第1項に規定する普通地方公共団体 第242条第1項「監査委員に対する住民からの監査」の請求

第252条の28(外部監査契約を締結できる者)
普通地方公共団体が外部監査契約を締結できる者は、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し優れた識見を有する者であって、次の各号のいずれかに該当するものとする。
弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む。)
公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む。)
国の行政機関において会計検査に関する行政事務に従事した者又は地方公共団体において監査若しくは財務に関する行政事務に従事した者であって、監査に関する実務に精通しているものとして政令で定めるもの
2 普通地方公共団体は、外部監査契約を円滑に締結し又はその適正な履行を確保するため必要と認めるときは、前項の規定にかかわらず、同項の識見を有する者であって税理士(税理士となる資格を有する者を含む。)であるものと外部監査契約を締結することができる。
3 前二項の規定にかかわらず、普通地方公共団体は、次の各号のいずれかに該当する者と外部監査契約を締結してはならない。
成年被後見人又は被保佐人
禁錮以上の刑に処せられた者であって、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなってから三年を経過しないもの
破産者であって復権を得ない者
国家公務員法 (昭和二十二年法律第百二十号)又は地方公務員法 の規定により懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
弁護士法、公認会計士法又は税理士法の規定による懲戒処分により、弁護士会からの除名、公認会計士の登録の抹消又は税理士の業務の禁止の処分を受けた者でこれらの処分を受けた日から三年を経過しないもの(これらの法律の規定により再び業務を営むことができることとなった者を除く。)
懲戒処分により、弁護士、公認会計士又は税理士の業務を停止された者で、現にその処分を受けているもの
当該普通地方公共団体の議会の議員
当該普通地方公共団体の職員
当該普通地方公共団体の職員で政令で定めるものであった者
当該普通地方公共団体の長、副知事若しくは副市町村長、会計管理者又は監査委員と親子、夫婦又は兄弟姉妹の関係にある者
十一 当該普通地方公共団体に対し請負(外部監査契約に基づくものを除く。)をする者及びその支配人又は主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役若しくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人

第252条の29(特定の事件についての監査の制限)
包括外部監査人(普通地方公共団体と包括外部監査契約を締結し、かつ、包括外部監査契約の期間(包括外部監査契約に基づく監査を行い、監査の結果に関する報告を提出すべき期間をいう。以下本章において同じ。)内にある者をいう。以下本章において同じ。)又は個別外部監査人(普通地方公共団体と個別外部監査契約を締結し、かつ、個別外部監査契約の期間(個別外部監査契約に基づく監査を行い、監査の結果に関する報告を提出すべき期間をいう。以下本章において同じ。)内にある者をいう。以下本章において同じ。)は、自己若しくは父母、祖父母、配偶者、子、孫若しくは兄弟姉妹の一身上に関する事件又は自己若しくはこれらの者の従事する業務に直接の利害関係のある事件については、監査することができない。

第252条の30(監査の実施に伴う外部監査人と監査委員相互間の配慮)
外部監査人(包括外部監査人及び個別外部監査人をいう。以下本章において同じ。)は、監査を実施するに当たっては、監査委員にその旨を通知する等相互の連絡を図るとともに、監査委員の監査の実施に支障を来さないよう配慮しなければならない。
2 監査委員は、監査を実施するに当たっては、外部監査人の監査の実施に支障を来さないよう配慮しなければならない。

第252条の31(監査の実施に伴う外部監査人の義務)
外部監査人は、外部監査契約の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、誠実に監査を行う義務を負う。
2 外部監査人は、外部監査契約の履行に当たっては、常に公正不偏の態度を保持し、自らの判断と責任において監査をしなければならない。
3 外部監査人は、監査の実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。外部監査人でなくなった後であっても、同様とする。
4 前項の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
5 外部監査人は、監査の事務に関しては、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

第252条の32(外部監査人の監査の事務の補助)
外部監査人は、監査の事務を他の者に補助させることができる。この場合においては、外部監査人は、政令の定めるところにより、あらかじめ監査委員に協議しなければならない。
2 監査委員は、前項の規定による協議が調った場合には、直ちに当該監査の事務を補助する者の氏名及び住所並びに当該監査の事務を補助する者が外部監査人の監査の事務を補助できる期間を告示しなければならない。
3 第1項の規定による協議は、監査委員の合議によるものとする。
4 外部監査人は、監査が適正かつ円滑に行われるよう外部監査人補助者(第2項の規定により外部監査人の監査の事務を補助する者として告示された者であって、かつ、外部監査人の監査の事務を補助できる期間内にあるものをいう。以下本条において同じ。)を監督しなければならない。
5 外部監査人補助者は、外部監査人の監査の事務を補助したことに関して知り得た秘密を漏らしてはならない。外部監査人補助者でなくなった後であっても、同様とする。
6 前項の規定に違反した者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
7 外部監査人補助者は、外部監査人の監査の事務の補助に関しては、刑法 その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。
8 外部監査人は、第2項の規定により告示された者に監査の事務を補助させる必要がなくなったときは、速やかに、その旨を監査委員に通知しなければならない。
9 前項の通知があったときは、監査委員は、速やかに、当該通知があった者の氏名及び住所並びにその者が外部監査人を補助する者でなくなったことを告示しなければならない。
10 前項の規定による告示があったときは、当該告示された者が外部監査人の監査の事務を補助できる期間は終了する。

第252条の33(外部監査人の監査への協力)
普通地方公共団体が外部監査人の監査を受けるに当たっては、当該普通地方公共団体の議会、長その他の執行機関又は職員は、外部監査人の監査の適正かつ円滑な遂行に協力するよう努めなければならない。
2 代表監査委員は、外部監査人の求めに応じ、監査委員の監査の事務に支障のない範囲内において、監査委員の事務局長、書記その他の職員又は第百八十条の3(職員に融通)の規定による職員を外部監査人の監査の事務に協力させることができる。

第252条の34(議会による説明の要求又は意見の陳述)
普通地方公共団体の議会は、外部監査人の監査に関し必要があると認めるときは、外部監査人又は外部監査人であった者の説明を求めることができる。
2 普通地方公共団体の議会は、外部監査人の監査に関し必要があると認めるときは、外部監査人に対し意見を述べることができる。

第252条の35(外部監査契約の解除)
普通地方公共団体の長は、外部監査人が第252条の28第1項(外部監査契約を締結できる者)各号のいずれにも該当しなくなったとき(同条第2項の規定により外部監査契約が締結された場合にあっては、税理士(税理士となる資格を有する者を含む。)でなくなったとき)、又は同条第3項各号のいずれかに該当するに至ったときは、当該外部監査人と締結している外部監査契約を解除しなければならない。
2 普通地方公共団体の長は、外部監査人が心身の故障のため監査の遂行に堪えないと認めるとき、外部監査人にこの法律若しくはこれに基づく命令の規定又は外部監査契約に係る義務に違反する行為があると認めるときその他外部監査人と外部監査契約を締結していることが著しく不適当と認めるときは、外部監査契約を解除することができる。この場合においては、あらかじめ監査委員の意見を聴くとともに、その意見を付けて議会の同意を得なければならない。
3 外部監査人が、外部監査契約を解除しようとするときは、普通地方公共団体の長の同意を得なければならない。この場合においては、当該普通地方公共団体の長は、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。
4 前二項の規定による意見は、監査委員の合議によるものとする。
5 普通地方公共団体の長は、第1項若しくは第2項の規定により外部監査契約を解除したとき、又は第3項の規定により外部監査契約を解除されたときは、直ちに、その旨を告示するとともに、遅滞なく、新たに外部監査契約を締結しなければならない。
6 外部監査契約の解除は、将来に向かってのみその効力を生ずる。

第13章 外部監査契約に基づく監査

第2節 包括外部監査契約に基づく監査(第252条の36~第252条の38)

第252条の36(包括外部監査契約の締結)
次に掲げる普通地方公共団体(以下「包括外部監査対象団体」という。)の長は、政令の定めるところにより、毎会計年度、当該会計年度に係る包括外部監査契約を、速やかに、一の者と締結しなければならない。この場合においては、あらかじめ監査委員の意見を聴くとともに、議会の議決を経なければならない。
都道府県
政令で定める市
前号に掲げる市以外の市又は町村で、契約に基づく監査を受けることを条例により定めたもの
2 前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
3 第1項の規定により包括外部監査契約を締結する場合において、包括外部監査対象団体は、連続して四回、同一の者と包括外部監査契約を締結してはならない。
4 包括外部監査契約には、次に掲げる事項について定めなければならない。
包括外部監査契約の期間の始期
包括外部監査契約を締結した者に支払うべき監査に要する費用の額の算定方法
前二号に掲げる事項のほか、包括外部監査契約に基づく監査のために必要な事項として政令で定めるもの
5 包括外部監査対象団体の長は、包括外部監査契約を締結したときは、前項第1号及び第2号に掲げる事項その他政令で定める事項を直ちに告示しなければならない。
6 包括外部監査契約の期間の終期は、包括外部監査契約に基づく監査を行うべき会計年度の末日とする。
7 包括外部監査対象団体は、包括外部監査契約の期間を十分に確保するよう努めなければならない。

第252条の37(包括外部監査人の監査)
包括外部監査人は、包括外部監査対象団体の財務に関する事務の執行及び包括外部監査対象団体の経営に係る事業の管理のうち、第2条第14項(住民福祉の増進努力)及び第十五項(合理化と適正化の努力義務)の規定の趣旨を達成するため必要と認める特定の事件について監査するものとする。
2 包括外部監査人は、前項の規定による監査をするに当たっては、当該包括外部監査対象団体の財務に関する事務の執行及び当該包括外部監査対象団体の経営に係る事業の管理が第2条第14項(住民福祉の増進努力)及び第15項(合理化と適正化の努力義務)の規定の趣旨にのつとつてなされているかどうかに、特に、意を用いなければならない。
3 包括外部監査人は、包括外部監査契約で定める包括外部監査契約の期間内に少なくとも一回以上第1項の規定による監査をしなければならない。
4 包括外部監査対象団体は、当該包括外部監査対象団体が第199条第7項「監査委員に対する長からの財政的援助等の監査」に規定する財政的援助を与えているものの出納その他の事務の執行で当該財政的援助に係るもの、当該包括外部監査対象団体が出資しているもので同項の政令で定めるものの出納その他の事務の執行で当該出資に係るもの、当該包括外部監査対象団体が借入金の元金若しくは利子の支払を保証しているものの出納その他の事務の執行で当該保証に係るもの、当該包括外部監査対象団体が受益権を有する信託で同項の政令で定めるものの受託者の出納その他の事務の執行で当該信託に係るもの又は当該包括外部監査対象団体が第244条の2第3項「指定管理者」の規定に基づき公の施設の管理を行わせているものの出納その他の事務の執行で当該管理の業務に係るものについて、包括外部監査人が必要があると認めるときは監査することができることを条例により定めることができる。
5 包括外部監査人は、包括外部監査契約で定める包括外部監査契約の期間内に、監査の結果に関する報告を決定し、これを包括外部監査対象団体の議会、長及び監査委員並びに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員に提出しなければならない。

第252条の38(同上)
包括外部監査人は、監査のため必要があると認めるときは、監査委員と協議して、関係人の出頭を求め、若しくは関係人について調査し、若しくは関係人の帳簿、書類その他の記録の提出を求め、又は学識経験を有する者等から意見を聴くことができる。
2 包括外部監査人は、監査の結果に基づいて必要があると認めるときは、当該包括外部監査対象団体の組織及び運営の合理化に資するため、監査の結果に関する報告に添えてその意見を提出することができる。
3 監査委員は、前条第5項(包括外部監査人からの監査報告)の規定により監査の結果に関する報告の提出があったときは、これを公表しなければならない。
4 監査委員は、包括外部監査人の監査の結果に関し必要があると認めるときは、当該包括外部監査対象団体の議会及び長並びに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員にその意見を提出することができる。
5 第1項の規定による協議又は前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
6 前条第5項(包括外部監査人からの監査報告)の規定による監査の結果に関する報告の提出があった場合において、当該監査の結果に関する報告の提出を受けた包括外部監査対象団体の議会、長、教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員は、当該監査の結果に基づき、又は当該監査の結果を参考として措置を講じたときは、その旨を監査委員に通知するものとする。この場合においては、監査委員は、当該通知に係る事項を公表しなければならない。

第2節 包括外部監査契約に基づく監査

第3節 個別外部監査契約に基づく監査(第252条の39~第252条の44)

第252条の39(第75条(監査委員に対する選挙権の有する者からの事務の監査)の規定による監査の特例)
第75条第1項(監査委員に対する選挙権の有する者からの事務の監査)の請求に係る監査について、監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体の同項の選挙権を有する者は、政令の定めるところにより、同項の請求をする場合において、併せて監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めることができる。
2 前項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められた第75条第1項の請求(以下本条において「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」という。)については、第75条第2項(監査請求の公表)から第4項(監査委員の合議による監査結果の報告の決定)までの規定は、適用しない。
3 事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求があったときは、監査委員は、直ちに、政令の定めるところにより、請求の要旨を公表するとともに、当該事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについての意見を付けて、その旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。
4 前項の規定による通知があったときは、当該普通地方公共団体の長は、当該通知があった日から二十日以内に議会を招集し、同項の規定による監査委員の意見を付けて、当該事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについて、議会に付議し、その結果を監査委員に通知しなければならない。
5 事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについて議会の議決を経た場合においては、当該普通地方公共団体の長は、政令の定めるところにより、当該事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る事項についての個別外部監査契約を一の者と締結しなければならない。
6 前項の個別外部監査契約を締結する場合においては、当該普通地方公共団体の長は、あらかじめ監査委員の意見を聴くとともに、議会の議決を経なければならない。
7 第3項(監査委員の個別外部監査についての意見の通知)又は前項の規定による意見の決定は、監査委員の合議によるものとする。
8 第5項(個別外部監査契約の締結)の個別外部監査契約には、次に掲げる事項について定めなければならない。
事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る事項
個別外部監査契約の期間
個別外部監査契約を締結した者に支払うべき監査に要する費用の額の算定方法
前三号に掲げる事項のほか、個別外部監査契約に基づく監査のために必要な事項として政令で定めるもの
9 普通地方公共団体の長は、第5項の個別外部監査契約を締結したときは、前項第1号から第3号までに掲げる事項その他政令で定める事項を直ちに告示しなければならない。
10 包括外部監査対象団体の長が、第5項の個別外部監査契約を当該包括外部監査対象団体の包括外部監査人と締結するときは、第6項(事前、監査委員の意見聴取と議会の議決)の規定は、適用しない。この場合においては、当該個別外部監査契約は、個別外部監査契約の期間が当該包括外部監査対象団体が締結している包括外部監査契約で定める包括外部監査契約の期間を超えないものであり、かつ、個別外部監査契約を締結した者に支払うべき費用の額の算定方法が当該包括外部監査契約で定める包括外部監査契約を締結した者に支払うべき費用の額の算定方法に準じたものでなければならない。
11 前項の規定により第5項の個別外部監査契約を締結した包括外部監査対象団体の長は、その旨を議会に報告しなければならない。
12 第5項の個別外部監査契約を締結した者は、当該個別外部監査契約で定める個別外部監査契約の期間内に、事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る事項につき監査し、かつ、監査の結果に関する報告を決定するとともに、これを当該個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体の議会、長及び監査委員並びに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、人事委員会若しくは公平委員会、公安委員会、労働委員会、農業委員会その他法律に基づく委員会又は委員に提出しなければならない。
13 監査委員は、前項の規定により監査の結果に関する報告の提出があったときは、これを当該事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る代表者に送付し、かつ、公表しなければならない。
14 前条第1項(関係人の出頭請求等)、第2項(包括外部監査人の監査報告等)及び第4項(監査委員の意見提出)から第6項(監査結果の措置)までの規定は、事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る事項についての個別外部監査人の監査について準用する。この場合において、同条第2項(包括外部監査人の監査報告等)及び第4項(監査委員の意見提出)中「包括外部監査対象団体」とあるのは「個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体」と、同条第6項(監査結果の措置)中「前条第5項」とあるのは「次条第12項」と、「包括外部監査対象団体」とあるのは「個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体」と読み替えるものとする。
15 事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について、監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについて、議会がこれを否決したときは、当該事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求は、初めから第1項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められていない第75条第1項(監査委員に対する選挙権の有する者からの事務の監査)の請求であったものとみなして、同条第3項及び第4項(監査委員の合議による監査の結果に関する報告の決定の委員会等に対する監査報告)の規定を適用する。

第252条の40(第98条第2項(監査委員に対する議会からの事務の監査)の規定による監査の特例)
第98条第2項(監査委員に対する議会からの事務の監査)の請求に係る監査について監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体の議会は、同項の請求をする場合において、特に必要があると認めるときは、その理由を付して、併せて監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めることができる。この場合においては、あらかじめ監査委員の意見を聴かなければならない。
2 前項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められた第9十8条第2項の請求(以下本条において「議会からの個別外部監査の請求」という。)については、監査委員は、当該議会からの個別外部監査の請求に係る事項についての監査及び監査の結果に関する報告は行わない。
3 議会からの個別外部監査の請求があったときは、監査委員は、直ちにその旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。
4 前条第5項(個別外部監査契約の締結)から第11項(包括外部監査対象団体の長の報告)までの規定は、前項の規定による通知があった場合について準用する。この場合において、同条第5項中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについて議会の議決を経た」とあるのは「次条第3項の規定による通知があった」と、「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る」とあるのは「同条第2項に規定する議会からの個別外部監査の請求に係る」と、同条第7項中「第3項」とあるのは「次条第1項」と、同条第8項第1号中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」とあるのは「次条第2項に規定する議会からの個別外部監査の請求」と読み替えるものとする。
5 前項において準用する前条第5項の個別外部監査契約を締結した者は、当該個別外部監査契約で定める個別外部監査契約の期間内に、議会からの個別外部監査の請求に係る事項につき監査しなければならない。
6 第199条第2項後段(監査の実施に関し必要な事項は、政令で定める)、第252条の37第5項(包括外部監査人の監査結果の報告)及び第252条の38(関係人の出頭等)の規定は、議会からの個別外部監査の請求に係る事項についての個別外部監査人の監査について準用する。この場合において、第252条の37第5項(包括外部監査人の監査結果の報告)並びに第252条の38第2項(包括外部監査人の監査結果の報告に添えてその意見提出)、第4項(監査委員の意見提出)及び第6項(包括外部監査対象団体の議会等の監査措置の監査委員に対する通知と監査委員の通知に係る事項の公表)中「包括外部監査対象団体」とあるのは、「個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体」と読み替えるものとする。

第252条の41(第199条第6項(監査委員に対する兆からの事務の監査)の規定による監査の特例)
第199条第6項(監査委員に対する兆からの事務の監査)の要求に係る監査について、監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体の長は、同項の要求をする場合において、特に必要があると認めるときは、その理由を付して、併せて監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めることができる。
2 前項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められた第199条第6項(監査委員に対する兆からの事務の監査)の要求(以下本条において「長からの個別外部監査の要求」という。)については、同項の規定にかかわらず、監査委員は、当該長からの個別外部監査の要求に係る事項についての監査は行わない。
3 長からの個別外部監査の要求があったときは、監査委員は、直ちに、監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについての意見を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。
4 第252条の39第4項(長の議会招集等)から第11項(長の議会報告等)までの規定は、前項の規定による通知があった場合について準用する。この場合において、同条第4項(長の議会招集等)中「前項」とあるのは「第252条の41第3項」と、「長は、当該通知があった日から二十日以内に議会を招集し」とあるのは「長は」と、「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」とあるのは「同条第2項に規定する長からの個別外部監査の要求」と、「付議し、その結果を監査委員に通知しなければならない」とあるのは「付議しなければならない」と、同条第5項中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について」とあるのは「第252条の41第2項に規定する長からの個別外部監査の要求について」と、「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る」とあるのは「同項に規定する長からの個別外部監査の要求に係る」と、同条第7項(監査委員の合議による意見決定)中「第3項」とあるのは「第252条の41第3項」と、同条第8項第1号中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」とあるのは「第252条の41第2項に規定する長からの個別外部監査の要求」と読み替えるものとする。
5 前項において準用する第252条の39第5項(事務の監査請求の個別外部監査契約)の個別外部監査契約を締結した者は、当該個別外部監査契約で定める個別外部監査契約の期間内に、長からの個別外部監査の要求に係る事項につき監査しなければならない。
6 第252条の37第5項(包括外部監査人の報告義務)及び第252条の38(包括外部監査人の監査)の規定は、長からの個別外部監査の要求に係る事項についての個別外部監査人の監査について準用する。この場合において、第252条の37第5項(包括外部監査人の報告義務)並びに第252条の38(包括外部監査人の監査)第2項、第4項及び第6項中「包括外部監査対象団体」とあるのは、「個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体」と読み替えるものとする。

第252条の42(第199条第7項(補助金等の財政援助)の規定による監査の特例)
普通地方公共団体が第199条第7項に規定する(補助金等の財政援助)を与えているものの出納その他の事務の執行で当該財政的援助に係るもの、普通地方公共団体が出資しているもので同項の政令で定めるものの出納その他の事務の執行で当該出資に係るもの、普通地方公共団体が借入金の元金若しくは利子の支払を保証しているものの出納その他の事務の執行で当該保証に係るもの、普通地方公共団体が受益権を有する信託で同項の政令で定めるものの受託者の出納その他の事務の執行で当該信託に係るもの又は普通地方公共団体が第244条の2第3項(指定管理者の管理)の規定に基づき公の施設の管理を行わせているものの出納その他の事務の執行で当該管理の業務に係るものについての第199条第7項(補助金等の財政援助)の要求に係る監査について、監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体の長は、同項の要求をする場合において、特に必要があると認めるときは、その理由を付して、併せて監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めることができる。
2 前項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められた第199条第7項(補助金等の財政援助)の要求(以下本条において「財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求」という。)については、同項の規定にかかわらず、監査委員は、当該財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求に係る事項についての監査は行わない。
3 財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求があったときは、監査委員は、直ちに、監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについての意見を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。
4 第252条の39第4項(長への通知があった日からの二十日以内の議会招集)から第11項(包括外部監査対象団体の長の議会報告)までの規定は、前項の規定による通知があった場合について準用する。この場合において、同条第4項中「前項」とあるのは「第252条の42第3項」と、「長は、当該通知があった日から二十日以内に議会を招集し」とあるのは「長は」と、「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」とあるのは「同条第2項に規定する財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求」と、「付議し、その結果を監査委員に通知しなければならない」とあるのは「付議しなければならない」と、同条第5項中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について」とあるのは「第252条の42第2項に規定する財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求について」と、「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る」とあるのは「同項に規定する財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求に係る」と、同条第7項中「第3項」とあるのは「第252条の42第3項」と、同条第8項第1号中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」とあるのは「第252条の42第2項に規定する財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求」と読み替えるものとする。
5 前項において準用する第252条の39第5項(事務の監査請求の個別外部監査契約)を締結した者は、当該個別外部監査契約で定める個別外部監査契約の期間内に、財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求に係る事項につき監査しなければならない。
6 第252条の37第5項(包括外部監査人の報告義務)及び第252条の38(包括外部監査人の監査)の規定は、財政的援助を与えているもの等に係る個別外部監査の要求に係る事項についての個別外部監査人の監査について準用する。この場合において、第252条の37第5項(包括外部監査人の報告義務)並びに第252条の38(包括外部監査人の監査)第2項、第4項及び第6項中「包括外部監査対象団体」とあるのは、「個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体」と読み替えるものとする。

第252条の43(住民監査請求等の特例)
第242条第1項(住民監査請求)の請求に係る監査について監査委員の監査に代えて契約に基づく監査によることができることを条例により定める普通地方公共団体の住民は、同項の請求をする場合において、特に必要があると認めるときは、政令の定めるところにより、その理由を付して、併せて監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることを求めることができる。
2 監査委員は、前項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められた第242条第1項の請求(以下本条において「住民監査請求に係る個別外部監査の請求」という。)があった場合において、当該住民監査請求に係る個別外部監査の請求について、監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることが相当であると認めるときは、個別外部監査契約に基づく監査によることを決定し、当該住民監査請求に係る個別外部監査の請求があった日から二十日以内に、その旨を当該普通地方公共団体の長に通知しなければならない。この場合においては、監査委員は、当該通知をした旨を、当該住民監査請求に係る個別外部監査の請求に係る請求人に直ちに通知しなければならない。
3 第252条の39第5項(事務の監査請求の個別外部監査契約)から第11項(包括外部監査対象団体の長の議会報告)までの規定は、前項前段の規定による通知があった場合について準用する。この場合において、同条第5項中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求について監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることについて議会の議決を経た」とあるのは「第252条の43第2項前段(個別外部監査請求があった日から二十日以内に、長に通知)の規定による通知があった」と、「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求に係る」とあるのは「同項に規定する住民監査請求に係る個別外部監査の請求に係る」と、同条第7項中「第3項」とあるのは「第252条の43第2項の規定による監査委員の監査に代えて個別外部監査契約に基づく監査によることの決定」と、同条第8項第1号中「事務の監査の請求に係る個別外部監査の請求」とあるのは「第252条の43第2項に規定する住民監査請求に係る個別外部監査の請求」と読み替えるものとする。
4 前項において準用する第252条の39第5項(事務の監査請求の個別外部監査契約)を締結した者は、当該個別外部監査契約で定める個別外部監査契約の期間内に、住民監査請求に係る個別外部監査の請求に係る事項について監査を行い、かつ、監査の結果に関する報告を決定するとともに、これを監査委員に提出しなければならない。
5 第2項前段(個別外部監査請求があった日から二十日以内に、長に通知)の規定による通知があった場合における第242条第4項(監査及び勧告)から第6項(請求人に対する証拠提出及び陳述の機会の付与)まで、第8項(監査及び勧告についての決定は、監査委員の合議による)及び第9(勧告後の必要な措置と通知)項並びに第242条の2(住民訴訟)の規定の適用については、第242条第4項(監査及び勧告)中「第1項の規定による請求があった場合においては、監査委員は、監査を行い」とあるのは「第252条の43第4項の規定による監査の結果に関する報告の提出があった場合においては、監査委員は、当該監査の結果に関する報告に基づき」と、「請求人に通知する」とあるのは「同条第2項に規定する住民監査請求に係る個別外部監査の請求に係る請求人(以下本条において「請求人」という。)に通知する」と、同条第5項(監査及び勧告の期限)中「監査委員の監査」とあるのは「請求に理由があるかどうかの決定」と、「第1項の規定による請求」とあるのは「第252条の43第2項に規定する住民監査請求に係る個別外部監査の請求」と、「六十日」とあるのは「九十日」と、同条第6項(請求人に対する証拠提出及び陳述の機会の付与)中「監査委員は、第4項の」とあるのは「第252条の43第3項において準用する第252条の3十九第5項の個別外部監査契約を締結した者は、第252条の4十三第4項の」と、同条第8項(監査及び勧告についての決定は、監査委員の合議による)中「第3項の規定による勧告並びに第4項」とあるのは「第4項」と、「監査及び」とあるのは「請求に理由があるかどうかの決定及び」と、第242条の2(住民訴訟)第1項中「前条第1項の規定による請求をした場合において、同条第4項の規定による監査委員の監査の結果」とあるのは「第252条の43第2項に規定する住民監査請求に係る個別外部監査の請求をした場合において、前条第4項の規定による請求に理由がない旨の決定」と、「監査若しくは勧告」とあるのは「請求に理由がない旨の決定若しくは勧告」と、「同条第1項の請求」とあるのは「第252条の43第2項に規定する住民監査請求に係る個別外部監査の請求」と、同条第2項第1号(監査等に対する不服がある場合の提起期間)中「監査委員の監査の結果」とあるのは「監査委員の請求に理由がない旨の決定」と、「当該監査の結果」とあるのは「当該請求に理由がない旨」と、同項第3号(期間内に監査又は勧告を行なわない場合の提起期間)中「六十日」とあるのは「九十日」と、「監査又は」とあるのは「請求に理由がない旨の決定又は」とする。
6 第252条の38(包括外部監査人の監査)第1項、第2項及び第5項の規定は、住民監査請求に係る個別外部監査の請求に係る事項についての個別外部監査人の監査について準用する。この場合において、同条第2項中「包括外部監査対象団体」とあるのは、「個別外部監査契約を締結した普通地方公共団体」と読み替えるものとする。
7 個別外部監査人は、第5項において読み替えて適用する第242条第6項(請求人に対する証拠提出及び陳述の機会の付与)の規定による陳述の聴取を行う場合又は関係のある当該普通地方公共団体の長その他の執行機関若しくは職員の陳述の聴取を行う場合において、必要があると認めるときは、監査委員と協議して、関係のある当該普通地方公共団体の長その他の執行機関若しくは職員又は請求人を立ち会わせることができる。
8 前項の規定による協議は、監査委員の合議によるものとする。
9 住民監査請求に係る個別外部監査の請求があった場合において、監査委員が当該住民監査請求に係る個別外部監査の請求があった日から二十日以内に、当該普通地方公共団体の長に第2項前段の規定による通知を行わないときは、当該住民監査請求に係る個別外部監査の請求は、初めから第1項の規定により個別外部監査契約に基づく監査によることが求められていない第242条第1項(住民監査請求)の請求であったものとみなす。この場合においては、監査委員は、同条第4項(監査及び勧告)の規定による通知を行うときに、併せて当該普通地方公共団体の長に第2項前段(個別外部監査請求があった日から二十日以内に、長に通知)の規定による通知を行わなかった理由を書面により当該住民監査請求に係る個別外部監査の請求に係る請求人に通知し、かつ、これを公表しなければならない。

第252条の44(個別外部監査契約の解除)
第252条の35(外部監査契約の解除)第2項(心身の故障等、義務違反による解除)、第4項(監査委員の合議)及び第5項(解除告示等)の規定は、個別外部監査人が第252条の29(特定の事件についての監査の制限)の規定により監査することができなくなったと認められる場合について準用する。

第3節 個別外部監査契約に基づく監査

第4節 雑則(第252条の45~第252条の46)

第252条の45(一部事務組合等に関する特例)
第2節(包括外部監査契約に基づく監査 )の規定の適用については、一部事務組合又は広域連合は、第252条の36第1項第2号(政令で定める市)以外の市又は町村とみなす。

第252条の46(政令への委任)
この法律に規定するもののほか、外部監査契約に基づく監査に関し必要な事項その他本章の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。

第4節 雑則

第14章 補則(第253条~第263条の3)

第253条(都道府県にわたる市町村関係事件を管理する知事の決定、総務大臣の権限)
都道府県知事の権限に属する市町村に関する事件で数都道府県にわたるものがあるときは、関係都道府県知事の協議により、その事件を管理すべき都道府県知事を定めることができる。
2 前項の場合において関係都道府県知事の協議が調わないときは、総務大臣は、その事件を管理すべき都道府県知事を定め、又は都道府県知事に代つてその権限を行うことができる。

第254条(人口)
この法律における人口は、官報で公示された最近の国勢調査又はこれに準ずる全国的な人口調査の結果による人口による。

第255条(廃置分合及び境界変更に関する事項の政令への委任)
この法律に規定するものを除くほか、第6条(都道府県の廃置分合及び境界変更)第1項及び第2項、第6条の2(都道府県の申請による合併)第1項並びに第7条(市町村の廃置分合及び境界変更)第1項及び第3項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。

第255条の2(法定受託事務に係る審査請求)
他の法律に特別の定めがある場合を除くほか、法定受託事務に係る処分又は不作為に不服のある者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者に対して、行政不服審査法による審査請求をすることができる。
都道府県知事その他の都道府県の執行機関の処分又は不作為 当該処分又は不作為に係る事務を規定する法律又はこれに基づく政令を所管する各大臣
市町村長その他の市町村の執行機関(教育委員会及び選挙管理委員会を除く。)の処分又は不作為 都道府県知事
市町村教育委員会の処分又は不作為 都道府県教育委員会
市町村選挙管理委員会の処分又は不作為 都道府県選挙管理委員会

第255条の3(過料の処分の手続、不服審査)
普通地方公共団体の長が過料の処分をしようとする場合においては、過料の処分を受ける者に対し、あらかじめその旨を告知するとともに、弁明の機会を与えなければならない。
2 普通地方公共団体の長がした過料の処分に不服がある者は、都道府県知事がした処分については総務大臣、市町村長がした処分については都道府県知事に審査請求をすることができる。この場合においては、異議申立てをすることもできる。
3 普通地方公共団体の長以外の機関がした過料の処分についての審査請求は、普通地方公共団体の長が処分庁の直近上級行政庁でない場合においても、当該普通地方公共団体の長に対してするものとする。
4 過料の処分についての審査請求(第2項に規定する審査請求を除く。)に対する裁決に不服がある者は、都道府県知事がした裁決については総務大臣、市町村長がした裁決については都道府県知事に再審査請求をすることができる。

第255条の4(審決の申請)
法律の定めるところにより異議申立て、異議の申出、審査請求、再審査請求又は審査の申立てをすることができる場合を除くほか、普通地方公共団体の事務についてこの法律の規定により普通地方公共団体の機関がした処分により違法に権利を侵害されたとする者は、その処分があった日から二十一日以内に、都道府県の機関がした処分については総務大臣、市町村の機関がした処分については都道府県知事に審決の申請をすることができる。

第255条の5(自治紛争委員会の審理)
総務大臣は都道府県の事務に関し、都道府県知事は市町村の事務に関し、この法律の規定による審査請求(第255条の2(法定受託事務に係る審査請求)の規定による審査請求を除く。)、再審査請求(第252条の17の4第4項(法定受託事務に係る再審査請求)の規定による再審査請求を除く。)、審査の申立て又は審決の申請があった場合において、審査請求、再審査請求、審査の申立て若しくは審決の申請をした者から要求があつたとき、又は特に必要があると認めるときは、第251条第2項(自治紛争処理委員の任命)の規定により自治紛争処理委員を任命し、その審理を経た上、審査請求若しくは再審査請求に対する裁決をし、審査の申立てに対する裁決若しくは裁定をし、又は審決をするものとする。

第256条(争訴の方式)
市町村の境界に関する裁定若しくは決定又は市町村の境界の確定、普通地方公共団体における直接請求の署名簿の署名、直接請求に基づく議会の解散又は議員若しくは長の解職の投票及び副知事、副市町村長、指定都市の総合区長、選挙管理委員、監査委員又は公安委員会の委員の解職の議決、議会において行う選挙若しくは決定又は再議決若しくは再選挙、選挙管理委員会において行う資格の決定その他この法律に基づく住民の賛否の投票に関する効力は、この法律に定める争訟の提起期間及び管轄裁判所に関する規定によることによってのみこれを争うことができる。

第257条(裁決の機関)
この法律に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の規定による審査の申立てに対する裁決は、その申立てを受理した日から九十日以内にこれをしなければならない。
2 この法律の規定による異議の申出又は審査の申立てに対して決定又は裁決をすべき期間内に決定又は裁決がないときは、その申出又は申立てをしりぞける旨の決定又は裁決があったものとみなすことができる。

第258条(異議の申出等に対する行政不服審査法の審理)
この法律又は政令に特別の定めがあるものを除くほか、この法律の規定による異議の申出、審査の申立て又は審決の申請については、行政不服審査法第9条(不服申立ての方式)から第13条(代表者の資格の証明等)まで、第14条第1項ただし書、第2項(天災等の特例)及び第4項(送付日数の不算入)、第15条第1項(審査請求書の記載事項)及び第4項(審査請求書の押印)、第17条(処分庁経由による審査請求)から第19条(誤った審査請求期間の教示)まで、第21条(補正)から第35条(執行停止の取消し)まで並びに第38条(審査庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置から第44条(証拠書類等の返還)までの規定を準用する。

第259条(都の区域)
郡の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は郡の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、都道府県知事が、当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、総務大臣に届け出なければならない。
2 郡の区域内において市の設置があったとき、又は郡の区域の境界にわたつて市町村の境界の変更があったときは、郡の区域も、また、自ら変更する。
3 郡の区域の境界にわたつて町村が設置されたときは、その町村の属すべき郡の区域は、第1項の例によりこれを定める。
4 第1項から第3項までの場合においては、総務大臣は、直ちにその旨を告示するとともに、これを国の関係行政機関の長に通知しなければならない。第7条第8項(告示による効力)の規定は、第1項又は前項の規定により郡の区域をあらたに画し、若しくはこれを廃止し、又は郡の区域を変更する場合にこれを準用する。
5 第1項乃至第3項の場合において必要な事項は、政令でこれを定める。

第260条(市町村区域内の町又は字の区域)
政令で特別の定をする場合を除く外、市町村の区域内の町若しくは字の区域をあらたに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、市町村長が当該市町村の議会の議決を経てこれを定め、都道府県知事に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出を受理したときは、都道府県知事は、直ちにこれを告示しなければならない。
3 第1項の規定による処分は、政令で特別の定めをする場合を除くほか、前項の規定による告示によりその効力を生ずる。

第260条の2(地縁による団体)
町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体(以下本条において「地縁による団体」という。)は、地域的な共同活動のための不動産又は不動産に関する権利等を保有するため市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
2 前項の認可は、地縁による団体のうち次に掲げる要件に該当するものについて、その団体の代表者が総務省令で定めるところにより行う申請に基づいて行う。
その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行っていると認められること。
その区域が、住民にとつて客観的に明らかなものとして定められていること。
その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となつていること。
規約を定めていること。
3 規約には、次に掲げる事項が定められていなければならない。
目的
名称
区域
主たる事務所の所在地
構成員の資格に関する事項
代表者に関する事項
会議に関する事項
資産に関する事項
4 第2項第二号の区域は、当該地縁による団体が相当の期間にわたつて存続している区域の現況によらなければならない。
5 市町村長は、地縁による団体が第2項各号に掲げる要件に該当していると認めるときは、第1項の認可をしなければならない。
6 第1項の認可は、当該認可を受けた地縁による団体を、公共団体その他の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈してはならない。
7 第1項の認可を受けた地縁による団体(以下「認可地縁団体」という。)は、正当な理由がない限り、その区域に住所を有する個人の加入を拒んではならない。
8 認可地縁団体は、民主的な運営の下に、自主的に活動するものとし、構成員に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
9 認可地縁団体は、特定の政党のために利用してはならない。
10 市町村長は、第1項の認可をしたときは、総務省令で定めるところにより、これを告示しなければならない。告示した事項に変更があったときも、また同様とする。
11 認可地縁団体は、前項の規定に基づいて告示された事項に変更があったときは、総務省令で定めるところにより、市町村長に届け出なければならない。
12 何人も、市町村長に対し、総務省令で定めるところにより、第十項の規定により告示した事項に関する証明書の交付を請求することができる。この場合において、当該請求をしようとする者は、郵便又は信書便により、当該証明書の送付を求めることができる。
13 認可地縁団体は、第10項の告示があるまでは、認可地縁団体となったこと及び第十項の規定に基づいて告示された事項をもって第三者に対抗することができない。
14 市町村長は、認可地縁団体が第2項各号に掲げる要件のいずれかを欠くこととなったとき、又は不正な手段により第1項の認可を受けたときは、その認可を取り消すことができる。
15 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第4条(住所)及び第78条(代表者の行為についての損害賠償責任)の規定は、認可地縁団体に準用する。
16 認可地縁団体は、法人税法その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第2条第6号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第37条(寄附金の損金不算入)の規定を適用する場合には同条第4項 中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(地方自治法第260条の2第7項に規定する認可地縁団体(以下「認可地縁団体」という。)並びに」と、同法第66条(各事業年度の所得に対する法人税の税率)の規定を適用する場合には同条第1項及び第2項中「普通法人」とあるのは「普通法人(認可地縁団体を含む。)」と、同条第3項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(認可地縁団体及び」とする。
17 認可地縁団体は、消費税法その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法 別表第三に掲げる法人とみなす。

第260条の3(規約の変更)
認可地縁団体の規約は、総構成員の4分の3以上の同意があるときに限り、変更することができる。ただし、当該規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。
2 前項の規定による規約の変更は、市町村長の認可を受けなければ、その効力を生じない。

第260条の4(財産目録、構成員名簿)
認可地縁団体は、認可を受ける時及び毎年一月から三月までの間に財産目録を作成し、常にこれをその主たる事務所に備え置かなければならない。ただし、特に事業年度を設けるものは、認可を受ける時及び毎事業年度の終了の時に財産目録を作成しなければならない。
2 認可地縁団体は、構成員名簿を備え置き、構成員の変更があるごとに必要な変更を加えなければならない。

第260条の5(代表者)
認可地縁団体には、一人の代表者を置かなければならない。

第260条の6(同上)
認可地縁団体の代表者は、認可地縁団体のすべての事務について、認可地縁団体を代表する。ただし、規約の規定に反することはできず、また、総会の決議に従わなければならない。

第260条の7(同上)
認可地縁団体の代表者の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。

第260条の8(特定行為の委任)
認可地縁団体の代表者は、規約又は総会の決議によって禁止されていないときに限り、特定の行為の代理を他人に委任することができる。

第260条の9(仮代表者の選任)
認可地縁団体の代表者が欠けた場合において、事務が遅滞することにより損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、仮代表者を選任しなければならない。

第260条の10(特別代理人の選任)
認可地縁団体と代表者との利益が相反する事項については、代表者は、代表権を有しない。この場合においては、裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、特別代理人を選任しなければならない。

第260条の11(監事)
認可地縁団体には、規約又は総会の決議で、一人又は数人の監事を置くことができる。

第260条の12(同上)
認可地縁団体の監事の職務は、次のとおりとする。
財産の状況を監査すること。
代表者の業務の執行の状況を監査すること。
財産の状況又は業務の執行について、法令若しくは規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときは、総会に報告をすること。
前号の報告をするため必要があるときは、総会を招集すること。

第260条の13(通常総会)
認可地縁団体の代表者は、少なくとも毎年一回、構成員の通常総会を開かなければならない。

第260条の14(臨時総会)
認可地縁団体の代表者は、必要があると認めるときは、いつでも臨時総会を招集することができる。
2 総構成員の5分の一以上から会議の目的である事項を示して請求があったときは、認可地縁団体の代表者は、臨時総会を招集しなければならない。ただし、総構成員の5分の一の割合については、規約でこれと異なる割合を定めることができる。

第260条の15(総会招集の通知)
認可地縁団体の総会の招集の通知は、総会の日より少なくとも五日前に、その会議の目的である事項を示し、規約で定めた方法に従ってしなければならない。

第260条の16(総会決議の事務の執行)
認可地縁団体の事務は、規約で代表者その他の役員に委任したものを除き、すべて総会の決議によって行う。

第260条の17(総会決議事項)
認可地縁団体の総会においては、第260条の15(代表者)の規定によりあらかじめ通知をした事項についてのみ、決議をすることができる。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

第260条の18(表決権)
認可地縁団体の各構成員の表決権は、平等とする。
2 認可地縁団体の総会に出席しない構成員は、書面で、又は代理人によって表決をすることができる。
3 前二項の規定は、規約に別段の定めがある場合には、適用しない。

第260条の19(同上)
認可地縁団体と特定の構成員との関係について議決をする場合には、その構成員は、表決権を有しない。

第260条の20(同上)
認可地縁団体は、次に掲げる事由によって解散する。
規約で定めた解散事由の発生
破産手続開始の決定
認可の取消し
総会の決議
構成員が欠けたこと。

第260条の21(解散の決議)
認可地縁団体は、総構成員の4分の3以上の賛成がなければ、解散の決議をすることができない。ただし、規約に別段の定めがあるときは、この限りでない。

第260条の22(破産手続開始の決定)
認可地縁団体がその債務につきその財産をもって完済することができなくなった場合には、裁判所は、代表者若しくは債権者の申立てにより又は職権で、破産手続開始の決定をする。
2 前項に規定する場合には、代表者は、直ちに破産手続開始の申立てをしなければならない。

第260条の23(精算団体の能力)
解散した認可地縁団体は、清算の目的の範囲内において、その清算の結了に至るまではなお存続するものとみなす。

第260条の24(精算人)
認可地縁団体が解散したときは、破産手続開始の決定による解散の場合を除き、代表者がその清算人となる。ただし、規約に別段の定めがあるとき、又は総会において代表者以外の者を選任したときは、この限りでない。

第260条の25(裁判所による精算人の選任)
前条の規定により清算人となる者がないとき、又は清算人が欠けたため損害を生ずるおそれがあるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、清算人を選任することができる。

第260条の26(精算人の解任)
重要な事由があるときは、裁判所は、利害関係人若しくは検察官の請求により又は職権で、認可地縁団体の清算人を解任することができる。

第260条の27(精算人の職務)
認可地縁団体の清算人の職務は、次のとおりとする。
現務の結了
債権の取立て及び債務の弁済
残余財産の引渡し
2 清算人は、前項各号に掲げる職務を行うために必要な一切の行為をすることができる。

第260条の28(債権者に対する公告・催告)
認可地縁団体の清算人は、その就職の日から二箇月以内に、少なくとも三回の公告をもって、債権者に対し、一定の期間内にその債権の申出をすべき旨の催告をしなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
2 前項の公告には、債権者がその期間内に申出をしないときは清算から除斥されるべき旨を付記しなければならない。ただし、清算人は、知れている債権者を除斥することができない。
3 認可地縁団体の清算人は、知れている債権者には、各別にその申出の催告をしなければならない。
4 第1項の公告は、官報に掲載してする。

第260条の29(申出の後れた債権者の扱い)
前条第1項の期間の経過後に申出をした債権者は、認可地縁団体の債務が完済された後まだ権利の帰属すべき者に引き渡されていない財産に対してのみ、請求をすることができる。

第260条の30(精算人による破産手続開始の申立て)
清算中に認可地縁団体の財産がその債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は、直ちに破産手続開始の申立てをし、その旨を公告しなければならない。
2 清算人は、清算中の認可地縁団体が破産手続開始の決定を受けた場合において、破産管財人にその事務を引き継いだときは、その任務を終了したものとする。
3 前項に規定する場合において、清算中の認可地縁団体が既に債権者に支払い、又は権利の帰属すべき者に引き渡したものがあるときは、破産管財人は、これを取り戻すことができる。
4 第1項の規定による公告は、官報に掲載してする。

第260条の31(財産の帰属)
解散した認可地縁団体の財産は、規約で指定した者に帰属する。
2 規約で権利の帰属すべき者を指定せず、又はその者を指定する方法を定めなかったときは、代表者は、市町村長の認可を得て、その認可地縁団体の目的に類似する目的のために、その財産を処分することができる。ただし、総会の決議を経なければならない。
3 前二項の規定により処分されない財産は、市町村に帰属する。

第260条の32(解散及び精算の監督)
認可地縁団体の解散及び清算は、裁判所の監督に属する。
2 裁判所は、職権で、いつでも前項の監督に必要な検査をすることができる。

第260条の33(清算結了の届出)
認可地縁団体の清算が結了したときは、清算人は、その旨を市町村長に届け出なければならない。

第260条の34(管轄裁判所)
認可地縁団体に係る次に掲げる事件は、その主たる事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
仮代表者又は特別代理人の選任に関する事件
解散及び清算の監督に関する事件
清算人に関する事件

第260条の35(不服申立て)
認可地縁団体の清算人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。

第260条の36(裁判所の専任する精算人の報酬)
裁判所は、第260条の25の規定により清算人を選任した場合には、認可地縁団体が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人(監事を置く認可地縁団体にあっては、当該清算人及び監事)の陳述を聴かなければならない。

第260条の37(即時抗告)
認可地縁団体の清算人の解任についての裁判及び前条の規定による裁判に対しては、即時抗告をすることができる。 (改正:H26.6.25)

第260条の37(検査役の選任)
裁判所は、認可地縁団体の解散及び清算の監督に必要な調査をさせるため、検査役を選任することができる。
2 前3条 前2条の規定は、前項の規定により裁判所が検査役を選任した場合について準用する。この場合において、第260条の36 前条中(裁判所の専任する精算人の報酬)中「清算人(監事を置く認可地縁団体にあっては、当該清算人及び監事)」とあるのは、「認可地縁団体及び検査役」と読み替えるものとする。

第260条の38(認可地縁団体所有の不動産の定め)  
認可地縁団体が所有する不動産であって表題部所有者(不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第二条第十号 に規定する表題部所有者をいう。以下この項において同じ。)又は所有権の登記名義人の全てが当該認可地縁団体の構成員又はかって当該認可地縁団体の構成員であった者であるもの(当該認可地縁団体によって、十年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有されているものに限る。)について、当該不動産の表題部所有者若しくは所有権の登記名義人又はこれらの相続人(以下この条において「登記関係者」という。)の全部又は一部の所在が知れない場合において、当該認可地縁団体が当該認可地縁団体を登記名義人とする当該不動産の所有権の保存又は移転の登記をしようとするときは、当該認可地縁団体は、総務省令で定めるところにより、当該不動産に係る次項の公告を求める旨を市町村長に申請することができる。この場合において、当該申請を行う認可地縁団体は、次の各号に掲げる事項を疎明するに足りる資料を添付しなければならない。
当該認可地縁団体が当該不動産を所有していること。
当該認可地縁団体が当該不動産を十年以上所有の意思をもって平穏かつ公然と占有していること。
当該不動産の表題部所有者又は所有権の登記名義人の全てが当該認可地縁団体の構成員又はかつて当該認可地縁団体の構成員であった者であること。
当該不動産の登記関係者の全部又は一部の所在が知れないこと。
市町村長は、前項の申請を受けた場合において、当該申請を相当と認めるときは、総務省令で定めるところにより、当該申請を行った認可地縁団体が同項に規定する不動産の所有権の保存又は移転の登記をすることについて異議のある当該不動産の登記関係者又は当該不動産の所有権を有することを疎明する者(次項から第5項までにおいて「登記関係者等」という。)は、当該市町村長に対し異議を述べるべき旨を公告するものとする。この場合において、公告の期間は、三月を下ってはならない。
前項の公告に係る登記関係者等が同項の期間内に同項の異議を述べなかったときは、第1項に規定する不動産の所有権の保存又は移転の登記をすることについて当該公告に係る登記関係者の承諾があったものとみなす。
市町村長は、前項の規定により第1項があったものとみなされた場合には、総務省令で定めるところにより、当該市町村長が第二項の規定による公告をしたこと及び登記関係者等が同項の期間内に異議を述べなかったことを証する情報を第一項の規定により申請を行った認可地縁団体に提供するものとする。
第2項の公告に係る登記関係者等が同項の期間内に同項の異議を述べたときは、市町村長は、総務省令で定めるところにより、その旨及びその内容を第1項の規定により申請を行った認可地縁団体に通知するものとする。

第260条の39 (所有権の保存登記)
不動産登記法第七十四条第一項 の規定にかかわらず、前条第4項に規定する証する情報を提供された認可地縁団体が申請情報(同法第十八条 に規定する申請情報をいう。次項において同じ。)と併せて当該証する情報を登記所に提供するときは、当該認可地縁団体が当該証する情報に係る前条第1項に規定する不動産の所有権の保存の登記を申請することができる。
不動産登記法第六十条 の規定にかかわらず、前条第4項に規定する証する情報を提供された認可地縁団体が申請情報と併せて当該証する情報を登記所に提供するときは、当該認可地縁団体のみで当該証する情報に係る同条第1項に規定する不動産の所有権の移転の登記を申請することができる。

第260条の39 第260条の38(過料)(改正:H26.6.25)
第260条の40(過料)
次の各号のいずれかに該当する場合においては、認可地縁団体の代表者又は清算人は、非訟事件手続法 により、五十万円以下の過料に処する。
第260条の22第2項(代表者の破産手続開始の申立て)又は第260条の30第1項(精算人による破産手続開始の申立て)の規定による破産手続開始の申立てを怠ったとき。
第260条の28第1項(債権者に対する公告)又は第260条の30第1項(精算人による破産手続開始の申立て)の規定による公告を怠り、又は不正の公告をしたとき。

第261条(特別法の住民投票)
一の普通地方公共団体のみに適用される特別法が国会又は参議院の緊急集会において議決されたときは、最後に議決した議院の議長(衆議院の議決が国会の議決となった場合には衆議院議長とし、参議院の緊急集会において議決した場合には参議院議長とする。)は、当該法律を添えてその旨を内閣総理大臣に通知しなければならない。
2 前項の規定による通知があったときは、内閣総理大臣は、直ちに当該法律を添えてその旨を総務大臣に通知し、総務大臣は、その通知を受けた日から五日以内に、関係普通地方公共団体の長にその旨を通知するとともに、当該法律その他関係書類を移送しなければならない。
3 前項の規定による通知があったときは、関係普通地方公共団体の長は、その日から三十一日以後六十日以内に、選挙管理委員会をして当該法律について賛否の投票を行わしめなければならない。
4 前項の投票の結果が判明したときは、関係普通地方公共団体の長は、その日から五日以内に関係書類を添えてその結果を総務大臣に報告し、総務大臣は、直ちにその旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。その投票の結果が確定したことを知ったときも、また、同様とする。
5 前項の規定により第3項の投票の結果が確定した旨の報告があったときは、内閣総理大臣は、直ちに当該法律の公布の手続をとるとともに衆議院議長及び参議院議長に通知しなければならない。

第262条(同上)
政令で特別の定をするものを除く外、公職選挙法 中普通地方公共団体の選挙に関する規定は、前条第3項(特別法の賛否投票)の規定による投票にこれを準用する。
2 前条第3項(特別法の賛否投票)の規定による投票は、政令の定めるところにより、普通地方公共団体の選挙又は第76条第3項(議会の解散請求の賛否投票)の規定による解散の投票若しくは第80条第3項(議員の解職請求の賛否投票)及び第81条第2項(長の解職請求及びその処置)の規定による解職の投票と同時にこれを行うことができる。

第263条(地方公営企業)
普通地方公共団体の経営する企業の組織及びこれに従事する職員の身分取扱並びに財務その他企業の経営に関する特例は、別に法律でこれを定める。

第263条の2(相互救済事業経営の委託)
普通地方公共団体は、議会の議決を経て、その利益を代表する全国的な公益的法人に委託することにより、他の普通地方公共団体と共同して、火災、水災、震災その他の災害に因る財産の損害に対する相互救済事業を行うことができる。
2 前項の公益的法人は、毎年一回以上定期に、その事業の経営状況を関係普通地方公共団体の長に通知するとともに、これを適当と認める新聞紙に二回以上掲載しなければならない。
3 前項の通知があったときは、関係普通地方公共団体の長は、直ちにこれを公表しなければならない。 (改正:H26.6.25)
3 第1項の相互救済事業で保険業に該当するものについては、保険業法 は、これを適用しない。
4 第1項の相互救済事業で保険業に該当するものについては、保険業法 は、これを適用しない。 (改正:H26.6.25)

第263条の3(全国的連合組織の届出、意見の申出等)
都道府県知事若しくは都道府県の議会の議長、市長若しくは市の議会の議長又は町村長若しくは町村の議会の議長が、その相互間の連絡を緊密にし、並びに共通の問題を協議し、及び処理するためのそれぞれの全国的連合組織を設けた場合においては、当該連合組織の代表者は、その旨を総務大臣に届け出なければならない。
2 前項の連合組織で同項の規定による届出をしたものは、地方自治に影響を及ぼす法律又は政令その他の事項に関し、総務大臣を経由して内閣に対し意見を申し出、又は国会に意見書を提出することができる。
3 内閣は、前項の意見の申出を受けたときは、これに遅滞なく回答するよう努めるものとする。
4 前項の場合において、当該意見が地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務付けると認められる国の施策に関するものであるときは、内閣は、これに遅滞なく回答するものとする。
5 各大臣は、その担任する事務に関し地方公共団体に対し新たに事務又は負担を義務付けると認められる施策の立案をしようとする場合には、第2項の連合組織が同項の規定により内閣に対して意見を申し出ることができるよう、当該連合組織に当該施策の内容となるべき事項を知らせるために適切な措置を講ずるものとする。

第14章 補則

第11章 国と普通地方公共団体との関係及び普通地方公共団体相互間の関係

第3編 特別地方公共団体~第四編 補則