第2款 国地方係争処理委員会による審査の手続(第250条の13~第250条の21)

標準速度 1.25倍速 1.5倍速 1.75倍速 2倍速


第250条の13(国の関与に関する審査の申出)
普通地方公共団体の長その他の執行機関は、その担任する事務に関する国の関与のうち是正の要求、許可の拒否その他の処分その他公権力の行使に当たるもの(次に掲げるものを除く。)に不服があるときは、委員会に対し、当該国の関与を行った国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
第245条の8(代執行等)第2項(文書による是正指示)及び第13項(市町村長の第一号法定受託事務についての都道府県知事に対する各大臣の必要指示)の規定による指示
第245条の8(代執行等)第8項(代執行の日時、場所及び方法の通知)の規定に基づき都道府県知事に代わって同条第2項(文書による再勧告)の規定による指示に係る事項を行うこと。
第252条の17の4(是正の要求等の特則)第2項の規定により読み替えて適用する第245条の八(代執行等)第12項(市町村の法定受託事務に対する代執行)において準用する同条第2項(文書による是正指示)の規定による指示
第252条の17の4(是正の要求等の特則)第2項の規定により読み替えて適用する第245条の8(代執行等)第12項(文書による是正指示)において準用する同条第8項(代執行の日時、場所及び方法の通知)の規定に基づき市町村長に代わって前号の指示に係る事項を行うこと。
2 普通地方公共団体の長その他の執行機関は、その担任する事務に関する国の不作為(国の行政庁が、申請等が行われた場合において、相当の期間内に何らかの国の関与のうち許可その他の処分その他公権力の行使に当たるものをすべきにかかわらず、これをしないことをいう。以下本節において同じ。)に不服があるときは、委員会に対し、当該国の不作為に係る国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
3 普通地方公共団体の長その他の執行機関は、その担任する事務に関する当該普通地方公共団体の法令に基づく協議の申出が国の行政庁に対して行われた場合において、当該協議に係る当該普通地方公共団体の義務を果たしたと認めるにもかかわらず当該協議が調わないときは、委員会に対し、当該協議の相手方である国の行政庁を相手方として、文書で、審査の申出をすることができる。
4 第1項(国の関与に関する審査の申出)の規定による審査の申出は、当該国の関与があった日から三十日以内にしなければならない。ただし、天災その他同項の規定による審査の申出をしなかったことについてやむを得ない理由があるときは、この限りでない。
5 前項ただし書の場合における第1項(国の関与に関する審査の申出)の規定による審査の申出は、その理由がやんだ日から一週間以内にしなければならない。
6 第1項(国の関与に関する審査の申出)の規定による審査の申出に係る文書を郵便又は民間事業者による「信書の送達に関する法律」第2条第6項 に規定する一般信書便事業者若しくは同条第9項 に規定する特定信書便事業者による同条第2項 に規定する信書便(第2百六十条の2第12項(地縁団体の許可証明書の送付請求)において「信書便」という。)で提出した場合における前二項の期間の計算については、送付に要した日数は、算入しない。
7 普通地方公共団体の長その他の執行機関は、第1項(国の関与に関する審査の申出)から第3項(協議の調わないときの審査の申出)までの規定による審査の申出(以下本款において「国の関与に関する審査の申出」という。)をしようとするときは、相手方となるべき国の行政庁に対し、その旨をあらかじめ通知しなければならない。

第250条の14(国の関与に関する審査及び勧告)
委員会は、自治事務に関する国の関与について前条第1項(国の関与に関する審査の申出)の規定による審査の申出があった場合においては、審査を行い、相手方である国の行政庁の行った国の関与が違法でなく、かつ、普通地方公共団体の自主性及び自立性を尊重する観点から不当でないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び当該国の行政庁に通知するとともに、これを公表し、当該国の行政庁の行った国の関与が違法又は普通地方公共団体の自主性及び自立性を尊重する観点から不当であると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
2 委員会は、法定受託事務に関する国の関与について前条第1項(国の関与に関する審査の申出)の規定による審査の申出があった場合においては、審査を行い、相手方である国の行政庁の行った国の関与が違法でないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び当該国の行政庁に通知するとともに、これを公表し、当該国の行政庁の行った国の関与が違法であると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
3 委員会は、前条第2項(国の不作為による審査の申出)の規定による審査の申出があった場合においては、審査を行い、当該審査の申出に理由がないと認めるときは、理由を付してその旨を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び相手方である国の行政庁に通知するとともに、これを公表し、当該審査の申出に理由があると認めるときは、当該国の行政庁に対し、理由を付し、かつ、期間を示して、必要な措置を講ずべきことを勧告するとともに、当該勧告の内容を当該普通地方公共団体の長その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
4 委員会は、前条第3項(協議が調わない時の国に対する審査の申出)の規定による審査の申出があったときは、当該審査の申出に係る協議について当該協議に係る普通地方公共団体がその義務を果たしているかどうかを審査し、理由を付してその結果を当該審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び相手方である国の行政庁に通知するとともに、これを公表しなければならない。
5 前各項の規定による審査及び勧告は、審査の申出があった日から九十日以内に行わなければならない。

第250条の15(関係行政機関の参加)
委員会は、関係行政機関を審査の手続に参加させる必要があると認めるときは、国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関、相手方である国の行政庁若しくは当該関係行政機関の申立てにより又は職権で、当該関係行政機関を審査の手続に参加させることができる。
2 委員会は、前項の規定により関係行政機関を審査の手続に参加させるときは、あらかじめ、当該国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び相手方である国の行政庁並びに当該関係行政機関の意見を聴かなければならない。

第250条の16(証拠調べ)
委員会は、審査を行うため必要があると認めるときは、国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関、相手方である国の行政庁若しくは前条第1項(関係行政機関の参加)の規定により当該審査の手続に参加した関係行政機関(以下本条において「参加行政機関」という。)の申立てにより又は職権で、次に掲げる証拠調べをすることができる。
適当と認める者に、参考人としてその知っている事実を陳述させ、又は鑑定を求めること。
書類その他の物件の所持人に対し、その物件の提出を求め、又はその提出された物件を留め置くこと。
必要な場所につき検証をすること。
国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関、相手方である国の行政庁若しくは参加行政機関又はこれらの職員を審尋すること。
2 委員会は、審査を行うに当たっては、国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関、相手方である国の行政庁及び参加行政機関に証拠の提出及び陳述の機会を与えなければならない。

第250条の17(国の関与に関する審査の申出の取下げ)
国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関は、第250条の14第1項(自治事務に関する国の関与についての審査の申出)から第4項(審査の申出に係る協議義務の審査)までの規定による審査の結果の通知若しくは勧告があるまで又は第250条の19第2項(調停の公表と通知)の規定により調停が成立するまでは、いつでも当該国の関与に関する審査の申出を取り下げることができる。
2 国の関与に関する審査の申出の取下げは、文書でしなければならない。

第250条の18(国の行政庁の措置等)
第250条の14第1項(自治事務に関する国の関与についての審査の申出)から第3項(審査の申出に理由がない場合の必要的措置の勧告)までの規定による委員会の勧告があったときは、当該勧告を受けた国の行政庁は、当該勧告に示された期間内に、当該勧告に即して必要な措置を講ずるとともに、その旨を委員会に通知しなければならない。この場合においては、委員会は、当該通知に係る事項を当該勧告に係る審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関に通知し、かつ、これを公表しなければならない。
2 委員会は、前項の勧告を受けた国の行政庁に対し、同項の規定により講じた措置についての説明を求めることができる。

第250条の19(調停)
委員会は、国の関与に関する審査の申出があった場合において、相当であると認めるときは、職権により、調停案を作成して、これを当該国の関与に関する審査の申出をした普通地方公共団体の長その他の執行機関及び相手方である国の行政庁に示し、その受諾を勧告するとともに、理由を付してその要旨を公表することができる。
2 前項の調停案に係る調停は、調停案を示された普通地方公共団体の長その他の執行機関及び国の行政庁から、これを受諾した旨を記載した文書が委員会に提出されたときに成立するものとする。この場合においては、委員会は、直ちにその旨及び調停の要旨を公表するとともに、当該普通地方公共団体の長その他の執行機関及び国の行政庁にその旨を通知しなければならない。

第250条の21(政令への委任)
この法律に規定するもののほか、委員会の審査及び勧告並びに調停に関し必要な事項は、政令で定める。

第1款 国地方係争処理委員会へ

第3款 自治紛争処理委員へ