第2節 一部事務組合(第286条~第291条)

標準速度 1.25倍速 1.5倍速 1.75倍速 2倍速


第286条(組織、事務及び規約の変更)
一部事務組合は、これを組織する地方公共団体(以下この節において「構成団体」という。)の数を増減し若しくは共同処理する事務を変更し、又は一部事務組合の規約を変更しようとするときは、関係地方公共団体の協議によりこれを定め、都道府県の加入するものにあっては総務大臣、その他のものにあっては都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、第287条第1項第一号(一部事務組合の名称)、第四号(一部事務組合の事務所の位置)又は第七号(一部事務組合の経費の支弁の方法)に掲げる事項のみに係る一部事務組合の規約を変更しようとするときは、この限りでない。
2 一部事務組合は、第287条第1項第一号(一部事務組合の名称)、第四号(一部事務組合の事務所の位置)又は第七号(一部事務組合の経費の支弁の方法)に掲げる事項のみに係る一部事務組合の規約を変更しようとするときは、構成団体の協議によりこれを定め、前項本文の例により、直ちに総務大臣又は都道府県知事に届出をしなければならない。

第286条の2 (脱退による組織、事務及び規約の変更の特例)
前条第1項本文(組織、事務及び規約の変更の許可)の規定にかかわらず、構成団体は、その議会の議決を経て、脱退する日の二年前までに他の全ての構成団体に書面で予告をすることにより、一部事務組合から脱退することができる。
2 前項の予告を受けた構成団体は、当該予告をした構成団体が脱退する時までに、前条の例により、当該脱退により必要となる規約の変更を行わなければならない。この場合において、同条中「第287条第1項第一号(一部事務組合の名称)」とあるのは、「第287条第1項第一号(一部事務組合の名称)、第二号(一部事務組合を組織する地方公共団体)」とする。
3 第1項の予告の撤回は、他の全ての構成団体が議会の議決を経て同意をした場合に限り、することができる。この場合において、同項の予告をした構成団体が他の構成団体に当該予告の撤回について同意を求めるに当たつては、あらかじめ、その議会の議決を経なければならない。
4 第1項の規定による脱退により一部事務組合の構成団体が一となつたときは、当該一部事務組合は解散するものとする。この場合において、当該構成団体は、前条第1項本文の例により、総務大臣又は都道府県知事に届け出なければならない。

第287条(規約等)
一部事務組合の規約には、次に掲げる事項につき規定を設けなければならない。
一部事務組合の名称
一部事務組合を組織する構成団体
一部事務組合の共同処理する事務
一部事務組合の事務所の位置
一部事務組合の議会の組織及び議員の選挙の方法
一部事務組合の執行機関の組織及び選任の方法
一部事務組合の経費の支弁の方法
2 一部事務組合の議会の議員又は管理者(第287条の3第2項(理事会の設置)の規定により管理者に代えて理事会を置く第285条の1部事務組合にあっては、理事)その他の職員は、第92条第2項(選任、兼職の禁止)、第141条第2項(長の兼職の禁止)及び第196条第3項(監査委員の兼職の禁止)(これらの規定を適用し又は準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該一部事務組合を組織する構成団体の議会の議員又は地方公共団体の長その他の職員と兼ねることができる。

第287条の2 (特例一部事務組合)
一部事務組合(一部事務組合を構成団体とするもの並びに第285条(市町村及び特別区の一部事務組合)に規定する場合に設けられたもの及び次条第2項の規定により管理者に代えて理事会を置くものを除く。)は、規約で定めるところにより、当該一部事務組合の議会を構成団体の議会をもつて組織することとすることができる。
2 前項の規定によりその議会を構成団体の議会をもつて組織することとした一部事務組合(以下この条において「特例一部事務組合」という。)の管理者は、この法律その他の法令の規定により一部事務組合の管理者が一部事務組合の議会に付議することとされている事件があるときは、構成団体の長を通じて、当該事件に係る議案を全ての構成団体の議会に提出しなければならない。
3 前項の規定により同項に規定する事件に係る議案の提出を受けた構成団体の議会は、当該事件を議決するものとする。
4 構成団体の議会の議長は、前項の議決があったときは、当該構成団体の長を通じて、議決の結果を特例一部事務組合の管理者に送付しなければならない。
5 特例一部事務組合にあっては、第2項に規定する事件の議会の議決は、当該議会を組織する構成団体の議会の一致する議決によらなければならない。
6 特例一部事務組合にあっては、この法律その他の法令の規定により一部事務組合の執行機関が一部事務組合の議会に報告し、提出し、又は勧告することとされている事項の議会への報告、提出又は勧告は、当該特例一部事務組合の執行機関が構成団体の長を通じて当該事項を全ての構成団体の議会に報告し、提出し、又は勧告することによつて行うものとする。
7 前編第6章「議会」第1節「組織」(第92条の2(関係私企業からの隔離)の規定に限る。)、第2節「権限」(第百条第14項(政務活動費の交付)から第21項(図書室の一般利用)までを除く。)及び第7節「請願」の規定は、特例一部事務組合の議会について準用する。
この場合において、第92条の2(関係私企業からの隔離)、第98条(検査、監査の請求)、第99条(意見書の提出)、第100条第1項(調査権)から第5項(議会の疏明請求)まで及び第8項(刑の減軽、免除)から第13項(議員の派遣)まで、第百条の2(専門的事項の調査)並びに第125条(採択請願の送付及び報告の請求) 中「普通地方公共団体の議会」とあり、及び「議会」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会」と、第97条第1項(選挙、予算の増額修正)中「法律」とあるのは「規約で定めるところにより、法律」と、第124条(請願権)中「議員」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会の議員」と、「請願書」とあるのは「当該構成団体の議会に請願書」と読み替えるものとする。
8 第292条(普通地方公共団体に関する規定の準用)の規定によりこの法律中都道府県、市又は町村に関する規定を特例一部事務組合に準用する場合においては、第16条第2項(条例の交付)中「前項の規定により条例」とあるのは「第287条の2第4項(議決結果の送付)の規定により特例一部事務組合(同条第2項に規定する特例一部事務組合をいう。以下同じ。)の全ての構成団体(第286条第1項(組織、事務及び規約の変更)に規定する構成団体をいう。以下同じ。)の議会の議長から条例に関する議決の結果」と、「これを」とあるのは「当該条例を」と、第145条(退職)中「都道府県知事」とあるのは「都道府県の加入する特例一部事務組合の管理者」と、「市町村長」とあるのは「都道府県の加入しない特例一部事務組合の管理者」と、「普通地方公共団体の議会の議長」とあるのは「特例一部事務組合の全ての構成団体の議会の議長」と、第百六十5条第1項(副知事及び副市町村長の退職)中「普通地方公共団体の議会の議長」とあるのは「特例一部事務組合の全ての構成団体の議会の議長」と、第176条(議会の瑕疵ある議決又は選挙に対する長の処置)(第3項(条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決)を除く。)、第177条(収入又は支出に関する議決に対する長の処置)第1項及び第2項、第179条(長の専決処分)第2項から第4項まで、第180条(議会の委任による専決処分)、第199条第12項(監査結果に基づく措置後の報告)、第242条第9項(勧告に基づく措置後の報告)の、第242条の2第1項(住民訴訟)及び第2項(訴訟期間)、第252条の28第3項(外部監査契約の締結義務者)、第252条の33第1項(外部監査人の監査への協力)、第252条の34(議会による説明の要求又は意見の陳述)、第252条の40(監査の特例(第4項を除く。))並びに第256条(争訴の方式)中「普通地方公共団体の議会」とあり、及び「議会」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会」と、第176条(議会の瑕疵ある議決又は選挙に対する長の処置)第5項中「都道府県知事にあっては」とあるのは「都道府県の加入する特例一部事務組合の管理者にあっては」と、「市町村長」とあるのは「都道府県の加入しない特例一部事務組合の管理者」と、第179条(長の専決処分)第1項中「普通地方公共団体の議会」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会」と、「議会の」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会の」と、「議会を招集する」とあるのは「議決を経る」と、「議会に」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会に」と、「を処分する」とあるのは「について第287条の2第3項(構成団体による事件の議決)の議決があったものとみなす」と、第180条(議会の委任による専決処分) 第1項中「これを専決処分にする」とあるのは「これについて第287条の2第3項(構成団体による事件の議決)の議決があったものとみなす」と、同条(議会の委任による専決処分)第2項中「専決処分をしたときは」とあるのは「議決があったものとみなしたときは」と、第219条(予算の送付及び公表)第2項中「前項の規定により予算」とあるのは「第287条の2第4項(議決結果の送付)の規定により特例一部事務組合の全ての構成団体の議会の議長から予算に関する議決の結果」と、「その要領」とあるのは「当該予算の要領」と、第252条の37第5項(包括外部監査人からの監査報告)中「議会」とあるのは「全ての構成団体の議会」と、第252条の38第6項(監査結果に基づく措置後の報告)中「議会」とあるのは「構成団体の議会」と、第252条の40第4項中「議会から」とあるのは「特例一部事務組合の構成団体の議会から」と読み替えるものとする。
9 特例一部事務組合にあっては、前条第1項第六号(一部事務組合の執行機関の組織及び選任の方法)の規定にかかわらず、この法律その他の法令の規定による一部事務組合の監査委員の事務は、規約で定める構成団体の監査委員が行うものとすることができる。

第287条の3(議決方法の特例及び理事会の設置)
第285条の1部事務組合の規約には、その議会の議決すべき事件のうち当該一部事務組合を組織する市町村又は特別区の一部に係るものその他特別の必要があるものの議決の方法について特別の規定を設けることができる。
2 第285条の一部事務組合には、当該一部事務組合の規約で定めるところにより、管理者に代えて、理事をもって組織する理事会を置くことができる。
3 前項の理事は、一部事務組合を組織する市町村若しくは特別区の長又は当該市町村若しくは特別区の長がその議会の同意を得て当該市町村又は特別区の職員のうちから指名する者をもって充てる。

第287条の4(議決事件の通知)
一部事務組合の管理者(前条第2項の規定により管理者に代えて理事会を置く第285条の1部事務組合にあっては、理事会。第291条(経費分賦に関する異議)第1項及び第2項において同じ。)は、当該一部事務組合の議会の議決すべき事件のうち政令で定める重要なものについて当該議会の議決を求めようとするときは、あらかじめ、これを当該一部事務組合を組織する構成団体の長に通知しなければならない。当該議決の結果についても、同様とする。

第288条(解散)
一部事務組合を解散しようとするときは、関係地方公共団体の協議により、第284条第2項(一部事務組合の設置)の例により、総務大臣又は都道府県知事に届出をしなければならない。

第289条(財産処分)
第286条(組織、事務及び規約の変更)、第286条の2(脱退による組織、事務及び規約の変更の特例)又は前条の場合において、財産処分を必要とするときは、関係地方公共団体の協議によりこれを定める。

第290条(議会の議決を要する協議)
第284条第2項(一部事務組合の設置)、第286条(組織、事務及び規約の変更(第286条の2第2項(脱退予告を受けた構成団体の規約変更)の規定によりその例によることとされる場合(同項の規定による規約の変更が第287条第1項第二号(一部事務組合を組織する構成団体)に掲げる事項のみに係るものである場合を除く。)を含む。)及び前二条の協議については、関係地方公共団体の議会の議決を経なければならない。

第291条(経費分賦に関する異議)
一部事務組合の経費の分賦に関し、違法又は錯誤があると認めるときは、一部事務組合の構成団体は、その告知を受けた日から三十日以内に当該一部事務組合の管理者に異議を申し出ることができる。
2 前項の規定による異議の申出があったときは、一部事務組合の管理者は、その議会に諮つてこれを決定しなければならない。
3 一部事務組合の議会は、前項の規定による諮問があった日から二十日以内にその意見を述べなければならない。

第3章 地方公共団体の組合

第3節 広域連合