第2章 審査請求


第1節 審査庁及び審理関係人

第9条(審理員)

  1. 第4条(審査請求をすべき行政庁)又は他の法律若しくは条例の規定により審査請求がされた行政庁(第14条(行政庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置)の規定により引継ぎを受けた行政庁を含む。以下「審査庁」という。)は、審査庁に所属する職員(第17条(審理員となるべき者の名簿)に規定する名簿を作成した場合にあっては、当該名簿に記載されている者)のうちから第3節に規定する審理手続(この節に規定する手続を含む。)を行う者を指名するとともに、その旨を審査請求人及び処分庁等(審査庁以外の処分庁等に限る。)に通知しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに掲げる機関が審査庁である場合若しくは条例に基づく処分について条例に特別の定めがある場合又は第24条(審理手続を経ないでする却下裁決)の規定により当該審査請求を却下する場合は、この限りでない。
    一. 内閣府設置法第四十九条第一項若しくは第二項又は国家行政組織法第三条第二項に規定する委員会
    二. 内閣府設置法第三十七条若しくは第五十四条又は国家行政組織法第八条に規定する機関
    三. 地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百三十八条の四第一項に規定する委員会若しくは委員又は同条第三項に規定する機関
  2. 審査庁が前項の規定により指名する者は、次に掲げる者以外の者でなければならない。
    一. 審査請求に係る処分若しくは当該処分に係る再調査の請求についての決定に関与した者又は審査請求に係る不作為に係る処分に関与し、若しくは関与することとなる者
    二. 審査請求人
    三. 審査請求人の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
    四. 審査請求人の代理人
    五. 前二号に掲げる者であった者
    六. 審査請求人の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
    七. 第13条第1項(参加人)に規定する利害関係人
  3. 審査庁が第1項各号に掲げる機関である場合又は同項ただし書の特別の定めがある場合においては、別表第一の上欄に掲げる規定の適用については、これらの規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句に読み替えるものとし、第17条(審理員となるべき者の名簿)、第40条(審理員による執行停止の意見書の提出)、第42条(審理員意見書)及び第50条第2項(行政不服審査会等への諮問を要しない場合の審理員意見書の添付)は、適用しない。
  4. 前項に規定する場合において、審査庁は、必要があると認めるときは、その職員(第2項各号(第1項各号に掲げる機関の構成員にあっては、第一号を除く。)に掲げる者以外の者に限る。)に、前項において読み替えて適用する第31条第1項(口頭意見陳述の申立人)の規定による審査請求人若しくは第13条第4項(参加人)に規定する参加人の意見の陳述を聴かせ、前項において読み替えて適用する第34条(参考人の陳述及び鑑定の要求)の規定による参考人の陳述を聴かせ、同項において読み替えて適用する第35条第一項(必要な場所での検証)の規定による検証をさせ、前項において読み替えて適用する第36条(審理関係人への質問)の規定による第28条(審理手続の計画的進行)に規定する審理関係人に対する質問をさせ、又は同項において読み替えて適用する第37条第1項(複雑な審理事項の意見聴取)若しくは第2項(隔地者の音声送受信による意見聴取)の規定による意見の聴取を行わせることができる。

第10条(法人でない社団又は財団の審査請求)

  • 法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものは、その名で審査請求をすることができる。

第11条(総代)

  1. 多数人が共同して審査請求をしようとするときは、三人を超えない総代を互選することができる。
  2. 共同審査請求人が総代を互選しない場合において、必要があると認めるときは、第9条第1項の規定により指名された者(以下「審理員」という。)は、総代の互選を命ずることができる。
  3. 総代は、各自、他の共同審査請求人のために、審査請求の取下げを除き、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。
  4. 総代が選任されたときは、共同審査請求人は、総代を通じてのみ、前項の行為をすることができる。
  5. 共同審査請求人に対する行政庁の通知その他の行為は、二人以上の総代が選任されている場合においても、一人の総代に対してすれば足りる。
  6. 共同審査請求人は、必要があると認める場合には、総代を解任することができる。

第12条(代理人による審査請求)

  1. 審査請求は、代理人によってすることができる。
  2. 前項の代理人は、各自、審査請求人のために、当該審査請求に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。

第13条(参加人)

  1. 利害関係人(審査請求人以外の者であって審査請求に係る処分又は不作為に係る処分の根拠となる法令に照らし当該処分につき利害関係を有するものと認められる者をいう。以下同じ。)は、審理員の許可を得て、当該審査請求に参加することができる。
  2. 審理員は、必要があると認める場合には、利害関係人に対し、当該審査請求に参加することを求めることができる。
  3. 審査請求への参加は、代理人によってすることができる。
  4. 前項の代理人は、各自、第1項又は第2項の規定により当該審査請求に参加する者(以下「参加人」という。)のために、当該審査請求への参加に関する一切の行為をすることができる。ただし、審査請求への参加の取下げは、特別の委任を受けた場合に限り、することができる。

第14条(行政庁が裁決をする権限を有しなくなった場合の措置)

  • 行政庁が審査請求がされた後法令の改廃により当該審査請求につき裁決をする権限を有しなくなったときは、当該行政庁は、第19条(審査請求書の提出)に規定する審査請求書又は第21条第2項(審査請求書等の送付義務) に規定する審査請求録取書及び関係書類その他の物件を新たに当該審査請求につき裁決をする権限を有することとなった行政庁に引き継がなければならない。この場合において、その引継ぎを受けた行政庁は、速やかに、その旨を審査請求人及び参加人に通知しなければならない。
  1. 第15条(審理手続の承継)
  2. 審査請求人が死亡したときは、相続人その他法令により審査請求の目的である処分に係る権利を承継した者は、審査請求人の地位を承継する。
  3. 審査請求人について合併又は分割(審査請求の目的である処分に係る権利を承継させるものに限る。)があったときは、合併後存続する法人その他の社団若しくは財団若しくは合併により設立された法人その他の社団若しくは財団又は分割により当該権利を承継した法人は、審査請求人の地位を承継する。
  4. 前二項の場合には、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は法人その他の社団若しくは財団は、書面でその旨を審査庁に届け出なければならない。この場合には、届出書には、死亡若しくは分割による権利の承継又は合併の事実を証する書面を添付しなければならない。
  5. 第1項又は第2項の場合において、前項の規定による届出がされるまでの間において、死亡者又は合併前の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割をした法人に宛ててされた通知が審査請求人の地位を承継した相続人その他の者又は合併後の法人その他の社団若しくは財団若しくは分割により審査請求人の地位を承継した法人に到達したときは、当該通知は、これらの者に対する通知としての効力を有する。
  6. 第1項の場合において、審査請求人の地位を承継した相続人その他の者が二人以上あるときは、その一人に対する通知その他の行為は、全員に対してされたものとみなす。
  7. 審査請求の目的である処分に係る権利を譲り受けた者は、審査庁の許可を得て、審査請求人の地位を承継することができる。

第16条(標準審理期間)

  • 第4条(審査請求をすべき行政庁)又は他の法律若しくは条例の規定により審査庁となるべき行政庁(以下「審査庁となるべき行政庁」という。)は、審査請求がその事務所に到達してから当該審査請求に対する裁決をするまでに通常要すべき標準的な期間を定めるよう努めるとともに、これを定めたときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁(当該審査請求の対象となるべき処分の権限を有する行政庁であって当該審査庁となるべき行政庁以外のものをいう。次条において同じ。)の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

第17条(審理員となるべき者の名簿)

  • 審査庁となるべき行政庁は、審理員となるべき者の名簿を作成するよう努めるとともに、これを作成したときは、当該審査庁となるべき行政庁及び関係処分庁の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

第1章 総則へ

第2節 審査請求の手続へ